
全国の書店員さんが最もお客さんに勧めたい本を投票で選ぶという趣旨で始まった「本屋大賞」。今年で3回目になるんですが、リリー・フランキーの「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」が選ばれた、という発表がありました。この賞、第1回は小川洋子の「博士の愛した数式」が、第2回は恩田陸の「夜のピクニック」が受賞しているのだが、今回の受賞作品については、さまざまな波紋があるみたい。というのも、ベストセラーではなく、本当に読んでもらいたい本を選ぶという趣

旨からすると、すでに100万部を売っている「東京タワー」にあげるのはどうなの? ということなのである。難しいところだな。でも、「博士」、「ピクニック」、「東京タワー」となんとなくテイストは似てる。いかにも書店員が選びそうな本である(特に女性の書店員が)。この受賞でさらに「東京タワー」が売れるのは、まあいいことなんだけど。出来れば、1冊のみの栄冠にしないで準大賞にももっ

とスポットライトを当ててもらいたいと思うのは僕だけだろうか。第1回の次点は横山秀夫の「クライマーズ・ハイ」。第2回の次点は萩原浩の「明日の記憶」。そして、今回の次点は、奥田英朗の「サウスバウンド」。まさに僕好みの作品がすべて2位になっているのです。別な視点から言えば、男性書店員の選ぶ「裏ベスト」という感じもあります。全国の書店員さんたちは、大賞受賞作だけでなく、次点の傑作たちもプッシュしてあげてくださいね。