ちょっとしたお誘いがあって、渋谷・ユーロスペースへ。 円山町に移ってからは初めて訪れます。クラシックに関する映画の上映とイベントとのこと。アメリカの5大オーケストラに数えられているというフィラデルフィア管弦楽団に密着したドキュメンタリー映画だそうです。ちょうど今フィラデルフィア管弦楽団が来日しているので、それに合わせての公開ということみたい。この日は上映前にスペシャル・イベントつき。フィラデルフィア管弦楽団メンバーによる舞台挨拶&生演奏ということで、立ち見(というか通路の座り見)が出るほどの盛況でした。首席ティンパニーのドン・リッツィーさん率いるパーカッション・クインテットのリトル・ルンバや、トロンボーン奏者によるガーシュウィンの小品などが演奏されました。映画館の狭い空間での生演奏ってのもいいですね。映画それ自体も、ちょいと古くさい手法ではあったけれど、面白かったです。ジャズ・プレイヤーになりたかったホルン奏者が、趣味で始めたマラソンで2時間42分完走、とか。サルサバンドへの飛び入りが楽しくて仕方ないトロンボーン奏者とか。ブルーグラスのフィドルが大好きなバイオリニストとか。 みんながけっこう普通なのに逆に感心しちゃいます。多少シビアな話もあって。コンサート・マスターのデイビッド・キムはチャイコフスキー・コンクールに入賞してソリストを目指したのですが挫折してオケ入りした時の苦悩を明かしてくれます。イスラエル出身のビオラ奏者・ウディがアラブ音楽の大家シモン・シャヒーンと競演を実現させた話も興味深かった。その他、日本人もいれば、ロシア出身者もいる。イタリア系も黒人もいて。さすが人種の坩堝アメリカのオケって感じで雑多かつ多彩なんですよね。世界でも屈指のオケなのに、団員それぞれが人間くさいところが、イイんですね。クラシック演奏家って、みんな堅い人ばかりみたいなのに、微妙に違うあたりが面白かったです。そんなにクラシック好きでもないんだけど、楽しめました。