読書友だちから教えられて購入しました。小説新潮5月号別冊という体裁を取ってますが、完全な新作アンソロジー・マガジンです。今年の本屋大賞の1位と2位である伊坂幸太郎さん・近藤史恵さんの新作中篇が読めるだけでもお得なのに、その他の作家陣容も十分豪華です。「図書館戦争」や「阪急電車」の有川浩さん。「インシテミル」の米澤穂信さん。「1000の小説とバックベアード」の佐藤友哉さん。「シャドウ」の道尾秀介さん。「MISSING」の本多孝好さん。どちらも超旬な作家ばかり。名前だけ知っていて未読の方も混じっているので、お試しとしてもいいのかも…。まだ2編しか読んでませんが、面白いです。近藤さんのは「サクリファイス」の外伝的なお話だし、有川さんなんかも長編でなく中篇から入るのがいいかもしれないし。ちなみに、収録作品は
伊坂幸太郎「首折り男の周辺」
近藤史恵「プロトンの中の孤独」
有川浩「ストーリー・セラー 」
米澤穂信「玉野五十鈴の誉れ」
佐藤友哉「333のテッペン」
道尾秀介「光の箱」
本多孝好「ここじゃない場所」
どれも一筋縄じゃいかなそうなタイトルで、そそられるでしょ。
ところで、表紙をめくると、編集者によるこの雑誌のコンセプト紹介とあいさつみたいな文章が載ってるんですがね。そこに「本誌は、一人の担当者の独断と偏愛により編集されたものである。個人の趣味が色濃く反映されたあるカラーが出ているため、七名の執筆者中、二人か三人の好きな作家がいれば、どの作品も楽しんでいただけるに違いない、と信じている。」とあるんです。この挑戦的なまでの編集者の自信がイイですね。じぶんの好みを同好者に押し付けてしまうほどの偏愛。嫌いじゃありませんぜ。