凄いぞ! メル・ギブソン! 遅ればせなんですが、「アポカリプト」見ましたよ。これが大傑作。有名な俳優は唯の一人も出演していないのに、すんばらしいスピード感とサスペンスで引っ張られちゃうストーリー展開。熱帯のジャングルを舞台にほぼ裸の南米人たちが聞いたこともない言葉で演じるのにこれだけの映画が作れるなんてね。古代マヤ文明の呪術的でデカダンな部分もちゃんと描いてあるし、ただのアクション映画ではない、十分満足いく仕上がりです。舞台は南米・マヤ文明の末期。主人公のジャガー・パウ(ルディ・ヤングブラッド=まさに、ハンサムなロナウジーニョと言う雰囲気です)は森の中で狩猟をし平和に暮らす村の青年。しかし、マヤ帝国には疫病が流行し、宗教儀式の生け贄とするべく、帝国の兵士たちは森の人間たちを狩りにやってくるのです。放火、殺戮、強姦、蹂躙。そして生き残った者たちは、奴隷や生け贄となるために、都へと連れていかれます。首尾よく臨月の妻と子供を井戸の底にかくまったジャガー・パウは、なんと
か囚われの身を逃れて、村へ戻ろうとするのです。この逃走と追跡、さらには反撃が、まさに手に汗握る演出で。2時間15分がホントにアッという間でした。しかしまあ、メル・ギブソンという人は不思議な人ですね。「ブレイブ・ハート」に「パッション」にこれか。監督としての一貫性は怪しい癖に、面白いものを嗅ぎ分ける本能みたいなもんは持ってるんですね。