ジャパニーズ・ホラーをハリウッドに売り込んだプロデューサーとして知られるのが一瀬隆重。彼のプロデュースによる映画「ノロイ」を偶然見てしまった。公開時どころか昨日まで、まったく知らなかったのだが、WOWOWでやっていたので見ちゃったんです。そしたら、一気に引き込まれてしまいました。昔フジテレビの深夜に「放送禁止」という番組がありましたね。まあ、ドキュメンタリーを装ったフィクションなんですが、全体にそのテイストに似ています。ミステリーや怪奇現象を扱うノンフィクションライターが失踪し、その真相を残されたビデオ映像から探っていくという仕組みです。映画冒頭では心霊現象を扱うテレビ番組が出てきたりして、まさにドキュメンタリーのような構成なのです。そのバラエティ番組(もちろんフェイクなんですが)とか、深夜番組とか、ニュース番組が、いやにリアルなんですね。そのためだけに、ダンカンやら飯島愛やらアンガールズやらを実際に出演させていて、スーパーとかも本物まがい。よく出来てます。そして、段々と人が失踪したり、集団自殺が起こったり、その謎を解いていくとある地方の言い伝えにたどり着く…。とまあ、流れとしてはよくあるホラー。ですが、ドキュメンタリー的な手法をとっているので、ついつい引き込まれていくのですね。面白いことに、映画の最後にも、キャストやスタッフのロールスーパーがなくて、映画全体が事実であるかのようなスパッとした終わり方で。相当に面白いつくりです。アメリカには「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」という作品もあったけど、またひと味違うリアリティと怖さが提示されてますよ。DVDでご覧になってみては?