
銀座「クール」といえば、1948年開業の老舗バーであった。マスターの古川緑郎さんは、13歳の時から銀座のバーで働いていたという伝説的な人物。スタンディングスタイルのバーカウンターには多くの文化人や政財界人が訪れた。2003年11月、古川さんは88歳の誕生日を機に「クール」を閉じた。それから半年して、同じ場所に出来たのが、「銀座ストック」というビストロである。あのクールの跡地ということで、何度も前を通り過ぎながら、あまりの明るさと客層の若さに(ビストロだけあってOLの2、3人連れが多いのだ)足を踏み入れるのを躊躇っていたのだが、ようやく訪れることができた。外装やカウンターはクールのままだが、多少スペインあたりを意識した内装でやはり照明も明るい。ワインぞろえもお値段控えめである。人気だ、というレタスの石焼サラダや丸ごとタマネギのグリルなどを注文。アンチョビのソースを入れた石焼きビビンバ用の器にレタスを入れてジ

ューッと焼いていくサラダは確かに美味。どれもお値段も安い。さらに、スズキのイタリア産岩塩釜焼きも追加。燻製や揚げ物、ピクルス盛合わせもバンバン追加。3人で嫌になるほど食べてワイン2本空けて、2万円でお釣りがくる。まあ、リーズナブルですね。とはいえ、元クールに居るという感慨はゼロ。また行くか、というとちょいと疑問ではあります。しかし、女同士の気のおけない飲み会にはピッタリかも。ロゴもかわいいしね。ちなみにこのお店の経営元は「スープ・ストック・トーキョー」だそうです。