自分で取った訳でもないのに、とてもいい席で立川談春師匠を聴くことができました。第六回・新文芸坐落語会。前座さんが、立川こはるさん。昨年末に真打ち昇進を果たした、立川志遊さん、立川雲水さん、そして談春師匠という番組。映画館なので、高座はけっこう高い位置にあって、まさに高座って感じでした。開口一番、こはるさんは「真田小僧」を。口切りはちょいとスロースタートでしたが、エンジンがかかってくると、いい感じ。独自のくすぐりも入れながらなかなかの仕上がりです。期待のできる前座さんです。志遊さんは「お七」。結核の病み上がりだそうで、今ひとつパワー不足かな。きっちり演じる姿勢はよろしいのですが、立川流となると、さらなるものを期待しちゃいますからね。そして仲入り前は雲水さん。「鴻池の犬」。初めて聞いた噺家さんですが、関西弁なんですよ。このへんがどうも分からないところで。先だって亡くなった立川文都師匠も談志門下なのに、関西落語でした。まあ、家元は弟子放ったらかしなのでしょうけど、稽古は誰に付けてもらってるんでしょうか。で、雲水さん。願人坊主かと思うような、ぬうっとしたスキンヘッド。口跡はハッキリしていて、よく通る声です。他の噺も聴いてみたいです。仲入りの後、お目当て・談春師匠登場。やはり、売れてる噺家さんには華がありますねぇ。相当前の席で拝見したのですが、顔つきがいかにもスター、って感じでした。映画館での落語会ってことで、映画監督の中島貞夫さんが師匠の叔父さんだ、ってところからマクラをはじめてましたよ。正確には、奥さんのお父さんの従兄弟とかなはずですがね。まあ、義理義理のおじさんか…。演目は、「天災」。談春師匠の売りである、江戸ことばが堪能できました。うーん、眼福&耳福でしたのう。