前売り完売で、プラチナ・チケットになってるという「志の輔らくご in パルコ」。ふとしたことでチケットが入手出来て行ってきました。パルコ劇場といえば、500人近いキャパはある劇場です。それを落語家一人でほぼ1ヵ月満員にするというのも凄いことですね。恐るべし、志の輔人気。恐るべし、ためしてガッテン・パワー。パルコ劇場での公演は、1996年からというのでもう14年も続いているのですね。しかもこの5年間は1ヵ月公演なのですから、驚きます。しかも、1ヵ月の間同一プログラムという縛り。小道具・大道具や鳴り物、照明効果なども考えられた公演なので、プログラムを簡単には変更できないのですね。毎日、同じ演目をやり続けるというのも辛いと思いますよ。「連日、終了時間が遅くなっております」という志の輔さんの気持ちがわかります。アドリブ増やしたくなるもんね今年の演目は、新作の「身代わりポン太」、「踊るファックス2010」、最後に黒紋付きで「中村仲蔵」という3本。「身代わりポン太」は、まさに今注目の仕分け・事業凍結をネタにした新作。志の輔さんのふるさと・富山にあるという設定の村に、たぬきの姿をした展望台を建設中(もちろん県の予算で、です)。ところが、事業凍結で上半身が作れなくなっちゃった! そこを、村のお婆さんの機転で切り抜けるというお噺。細かな設定やギャグ、村長に建設会社社長に県会議員のキャラ作りもお上手。「踊るファックス2010」は、とにかく客席の笑いが凄いです。しかも、オチの後に師匠の後ろに立てられた衝立風のセットが上下に割れてファックスの受け皿が出てきて中からファックスの紙が吐き出されてくるというおマケまでついてるんですから
…。あのファックスに書かれてる文章も何タイプかあるんだろうな。僕の行った日は「今日のコーヒーは昨日よりも美味しく入ってますよ! ロビー・コーヒーショップ店主」みたいなのでしたから。仲入り後、芝居噺の「中村仲蔵」。まあ、これも絶品ですね。ここぞ、って時に照明効果を使ったり、鳴り物を入れたり、演出も心得てます。お客さんの層は、志の輔ファンの中高年という感じなんだけど、落語を聞く態度は相当よかったです。噺の最中にものは食べないし、やもすると佳境では、劇場内に咳一つないくらい。静かすぎて志の輔師匠が「ちゃんと聞いてますか?」とギャグにするほどでした。談志家元のお弟子ということを考えると、ちょっとばかり毒が足りないかなー、っていうのが僕の感想だけれど、だからこそNHKの司会が出来るふところの深さってことなんでしょうね。
気になったのは、志の輔師匠の声。ちょっとガラガラですよね。タバコのせいかな。それと、芝居噺で、「~ございます」を連発するのも、ちょっとね。個人的には気になるんだよな~。