最近、読書がおろそかだなあ。と痛感。
で、ちょいと固め読み。
だいたい、三浦しをんが好きで、文楽が好きなのに、なぜ今まで読んでなかったのか。
「仏果を得ず」。
これが、面白かった! 文楽がここまで面白い小説になるとはなー。しかも、主要な演目を織り込みながら、恋愛と成長小説を両立させてるし。さすが、三浦しをん!
主人公は、研修所出身の義太夫語り、笹本健太夫。30歳。師匠は人間国宝の笹本銀太夫。銀太夫に無理やり組まされた孤高の三味線弾きが、鷺澤兎一郎。小学校の課外授業で義太夫を教えてあげている女の子が
ミラちゃん。そしてそのお母さん・岡田真智。
名門出と研修所出身の葛藤、劇中の人物の解釈への悩み、なんかに、銀太夫と仇敵の砂太夫との確執なども盛り込んで、ストーリーは進む。
各章は、
幕開き三番叟
女殺油地獄
日高川入相花王
ひらかな盛衰記
本朝廿四孝
心中天の網島
妹背山婦女庭訓
仮名手本忠臣蔵
と名づけられ、それぞれの演目に絡めてストーリーが展開するのです。
いやあ、一気読みでした。
ところで、この本のもくじが面白いのです。
文楽劇場の定式幕をうまくつかった、観音開きの目次。
洒落てますなあ。
幕を両側に開くと、右に出語り床、正面に舞台。
そして、そこに目次です。
三浦しをん。いいなあ。