お! と気づいたら3月になってました。さすが28日しかないと早いね、2月。あんまり本も読めなかったし。映画もそんなに見られなかったなー。忘れちゃう前に記録だけでも。
まず、映画から。
園子温「冷たい熱帯魚」。
いまんとこ、今年のベスト1。さすが、園子温。「愛のむきだし」の自主制作っぽさが抜けて、世界に通用する映画になってましたね。でんでんと黒沢あすかの怪演もすばらしかった!
ジョニー・トー&ワイ・カーファイ監督「MAD探偵」。
新作かと思ったら、2007年の作品でした。こちらは、ちとハズレかな。ジョニー・トー的なノワール臭はあるんですが、別人格が見えるという(たぶん)ワイ・カーフェイ的世界に多少無理があったかも…。
ウニー・ルコント監督「冬の小鳥」。
評判どおりの佳作でした。韓国で撮影されたフランス映画なのですが、主人公のジニを演じる10歳の女優・キム・セロンがよかった。DVDででも、見るべき映画ですね。
川口浩史監督「トロッコ」。
これは、「冬の小鳥」の併映だったので見たんですが、芥川龍之介の「トロッコ」をモチーフにした映画。台湾を舞台にした日本人の兄弟のお話。ちょっと、長かったかな。
トム・フーパー監督「英国王のスピーチ」。
たぶん、オスカーには絡むだろうなと思い封切り日に見に行きました。ストーリーは大体知ってたけど、ただの感動ものでもなかったです。吃音の克服というだけではない、王という存在やら、大英帝国という存在やらを考えさせられる、不思議な雰囲気のある映画でしたね。セットデザインがかわいらしかったかな。
で、本。
デビッド・カークパトリック「フェイスブック 若き天才の野望」。
映画「ソーシャル・ネットワーク」を見て即購入。ある意味映画より面白い。というか、映画の脚色のされ方が巧妙なのがよく分かる。たぶん、順番としては映画を見て本を読むので正解。兎にも角にも、マーク・ザッカーバーグの天才性がよく分かります。天才っていうのは、理想を異常に高く持ってる人のことなんじゃないか、と愚考。カタカナ人名は多いし、技術的用語やら経営的用語も多いのに、小説のように読めるドキュメント。面白か
ったです。映画見て、フェイスブック始めた人は、ぜひ読むべき!
山崎永幸「共犯者」。
「冷たい熱帯魚」に刺激されて、当時読んでなかった、愛犬家連続殺人事件の共犯者が書いたドキュメンタリーノベルを読んだんです。なかなか手に入りづらく、遠くの図書館で借りました。最初は週刊新潮で連載され、共犯者の実名で出版され、次は名義を志麻永幸と変え、タイトルを「愛犬家連続殺人」として文庫化、さらに週刊誌のアンカーだった蓮見圭一が「悪魔を憐れむ歌」と改題・加筆(実名を仮名に)して出版されたという、いわくつきの本。面白かったです。映画のでんでんの科白「ボディーを透明にしちゃう」とか、ほとんど実際の事件から持ってきてるんですよね。
三浦しをん「まほろ駅前番外地」。
「多田便利軒」の続編。読んでなかったんですよね。面白かったです。行天の過去とかが少しずつ明かされてく感じとか、短編連作の醍醐味ですね。映画も公開されるし、また続編が週刊文春で連載中だし。「IWGP」に次ぐ短編連作シリーズのフェイバリットです。
樋口明雄「ミッドナイト・ラン」。
大藪春彦賞、日本冒険小説協会大賞、ダブル受賞作家の受賞第1作。というのに惹かれて読んだんですが。ネット心中を図った5人組がふとしたことからヤクザ・警察と大追跡劇を。という設定が面白そうだったんですが、あまりに荒唐無稽すぎて、僕はダメでした。
鈴木智彦「潜入ルポ ヤクザの修羅場」。
著者は元実話雑誌編集長。ヤクザ取材のために歌舞伎町のヤクザマンションや大阪・飛田新地のど真ん中に事務所を借り、ヤクザたちと友だちづきあいまでして内情を探るルポルタージュは、超面白かったです。新書なんだけど、ある意味小説のように読めました。それにしても、警察庁の山口組に対する追い込みは凄いんだな・・・、と。本当にヤクザに人権はないと知りました。
浅草キッド「お笑い男の星座」、「お笑い男の星座2」。浅草キッド・水道橋博士「本業」。
「キッドのもと」が、あまりに面白かったので、一気に購入。「キッドのもと」のように人生を賭けてる二人のリアルな凄さは薄いんですが、たけし&洋八の項や博士の変装免許事件など異形の芸能人ならではの面白さは○。博士の文章って掛け言葉やら、こじつけやら、言葉遊びが過ぎるのでちょっとクドいのが難点なんだけどね。
しかし、本読めてませんね。も少しがんばろう。まあ、2月はこれ以外に「クーザ」見て、文楽も2回見たから、良しとしましょう。