韓国映画の「オールドボーイ」。原作が日本のコミックだということと、監督が「JSA」の人ということと、15年監禁された男の話、という三点のみ予備知識として見たのだが、圧倒された。俯瞰を多用する映像美は素晴らしい。主人公の荒くれぶりも素敵だ。半分まで見たくらいで、どうも「ルードボーイ」、「ボーダー」あたりの狩撫麻礼や橋本以蔵の「軍鶏」を思わせる話だな、と感じた。見終えて、調べてみたら、原作コミックの「オールドボーイ」は、作・土屋ガロン、画・嶺岸信明となっているのだが、この土屋ガロンとは、狩撫麻礼その人であったとは…。全編に漂うアナーキーな空気と画面の隅々まで溢れ出た闘争心、そして儚い女たち。素晴らしい、の一言であります。結末は、少し、というより相当悲しいけれど、ね。しかし、せっかくの日本コミック原作だけれど、このネタを映画化できる監督は日本には皆無でしょうね。まったく残念なことです。とりあえず、必見。