三谷監督のPR目的のテレビ出演へのプチ・バッシングが逆に話題の映画「ザ・マジックアワー」をようやく拝見。面白い。笑える。とは聞いてたけれど、まさにその通り。実際に劇場では若い観客の笑い声が満ち満ちていました。いや、僕だって何回も大声で笑ったし。映画撮影と騙されて殺し屋としてギャングの親分と相対する俳優役の佐藤浩市のコメディアンぶりもなかなかだし。三谷監督ならではの超豪華なカメオ出演も楽しめるし。日本のメジャー娯楽映画(コメディ)としては、最高の仕上がりになってるんじゃないでしょうかね。個人的には長すぎるのが気になった(136分だったかな。やはり映画は100分がベストでしょう)のと舞台になる港町のセット・コンセプトに違和感を持ちました。前作の「THE 有頂天ホテル」もそうでしたが、「ラジオの時間」や「みんなのいえ」には存在したリアリティがきれいに排除されてるんですよね。言ってみれば、舞台の映像化的な映画。もちろん映画でしかできないテクニックとかもあるんですが。全体に映画への愛みたいなものを強調されているのに、セットが舞台っぽかったりするのがどうもね。そのへんは十分承知でこの映像設計をなさったんでしょうが、僕の好みとは違うかな。
一番ビックリしたのは、老俳優役で出てきた柳澤慎一さん。クレジットを見て初めてわかったくらいで、昔の姿を知っていても、まったくわかりませんでしたよ。