映画「オーケストラの向こう側」が予想外に面白かったので、サントリーホールへ行ってみることにしました。当日券もあるとのことでしたが、ネットでさがしたところオケピというサイトで、B席の券がちょっと安く出ていたのでそれをゲット。舞台向かって左側のバルコニーのところでしたが、これがなかなかいい席で。指揮者のエッシェンバッハを真横上から見られる席。第一バイオリンの後ろの方とコントラバスはバルコニーが邪魔をして見えませんが、ステージ中央から右側と奥を上のほうから見ることが出来ました。お、ティンパニのドンさんがいる。トロンボーンのニザークさんも見える。コンサートマスターのデイビッド・キムがゆっくりと入ってきた。てな具合に、別な意味でもコンサートを楽しんでしまいました。あまりよく知らないで招待券などで行くクラシックコンサートって、好きな曲とかなら楽しめるのに、静かな曲や知らない楽章になると眠くなっちゃうんですよね。それが、オケのあちこちに見知ったメンバーがいると全然違うんです。あ、ティンパニが鳴ったとか、ソリストと第一バイオリンが絡んでるとか、コーダのところでシンバルが用意をし始めたぞ、なんてことが気になってくるんですね。音楽の中の音のパーツまでもが耳に入ってくるというか、新しい体験でした。ソリストの五嶋みどりさんはちょっと音量的に物足りない感じがしましたが、フル・メンバーでやってくれた、ショスタコーヴィチの交響曲第5番は、まさにオケ全員で作り上げているというのが感じられて、とても楽しめました。ドキュメンタリーを見て、翌々日に生でオケを聞くという、ちょっとない体験でしたね。