ここのところの歌舞伎マイ・ブームにつられて、歌舞伎のドキュメンタリー映画を見ました。十数年前に製作された「歌舞伎役者 片岡仁左衛門」という作品です。全巻上映すると10時間を越えるという大作。初公開は岩波ホールだったそうですが、その長尺ぶりに再映もままならなかったところ、下北沢にある小さなホールで1ヵ月だけ上映されています。僕が見たのはシリーズの1作目にあたる「若鮎の巻」上方の若手役者グループを仁左衛門丈が演技指導をしたときの記録映画です。この時すでに83歳になっているのに口跡もはっきりと若手を指導する姿は、矍鑠としています。歌舞伎とかに興味がないと「なんだ、これ」ってな映画ですが、芸談や役者さん、舞台などに関心がある方なら、ちょっと見ておきたい作品でしょう。残り5編が見れるのはいつになるかわかりませんが、遠くない将来、松竹のパーミッションが得られてDVDになるのを待ちますかね。冒頭に上映される、当代片岡仁左衛門丈の「ご挨拶」も、ほのぼのしていて素敵です。今週金曜まで、下北沢トリウッドというところで上映されてます。