昨日の午後、長岡の崖崩れ現場に埋もれた自動車に閉じ込められた母子3人の救出が行われていた。直径2~3メーター以上ある岩がごろごろある中にクルマは埋まっている。地震からかれこれ丸四日、日付にすると5日目になるので、この3人は「行方不明」と呼ばれて入るが、ほとんど「絶望的」と誰もが思っていたはずだ。この前日も岩の合間から覗くクルマは発見されていたのだが、降りしきる雨の中、夜を迎えて救出が一旦中止になったのには、二次災害を防ぐということのほかに、この「絶望的」な空気があったことも否めないだろう。そんな5日目の午後、車内から声が聞こえて、生体反応があったというのだ。テレビ局はこぞって緊急特番を組み、レギュラー番組を飛ばして、現地の映像を映し続けた。そして、突然、岩と岩の間からほぼ裸の状態で小さな男の子が救出されたのだ。レスキュー隊員に抱かれた男の子はしっかりと頭を動かして、周囲を見回していた。この瞬間の映像は素晴らしいものだった。感動の一瞬である。情報では、3人生存と伝えられていたので、テレビの前の人々の期待は母親と姉が続いて救出されることにあったはずだ。しかし…。作業は長引き、映像は膠着状態となったのが明らかであった。日没が近くなり、薄暗くなった現場にブルーのビニールシートが持ち込まれた。作業現場をカメラから隠すために、である。何故? もちろん、すべてのテレビ局はその理由を知っていたはずだ。テレビをとおして、生では見せたくない、そんな作業だからである。明らかに車内の二人の生存は危うい状態と考えられた。つい1時間ほど前の感激の映像現場が一転、悲しみの現場になってしまったのだ。それでも、テレビ各局の生中継は続いた…。つらいことである。それにしても、前日の夜に救出作業が続けられていたら、と家族は考えてしまうだろうな。本当につらい。。。