公開は昨年末だったから、もう半年経ったんですね。DVDにて「007/カジノ・ロワイヤル」を拝見しました。新ボンドのダニエル・クレイグにとても興味はあったんですが、劇場では見逃しちゃったんです。ところが、これがカッコよかった! ま、僕の世代だと、なんと言ってもボンドはショーン・コネリーなんですが。まったく違った方向なのに、こんなジェームズもありかな、と思わせてくれたのは嬉しかったです。歴代ボンドですが、言うまでも泣く初代がショーン・コネリー、2代目は1作だけで消えたジョージ・レーゼンビー。3代目がロジャー・ムーアで、4代目がテモシー・ダルトン。そして、5代目ピアーズ・ブロスナンという路線ですね。ショーン・コネリーが黒髪でちょいと異色な他は、いかにも面長、眼パッチリのイギリス紳士って感じです。とは言え今回プロデューサーが目指したのは、たぶん007シリーズのリスタートなんでしょう。地球破壊から宇宙ステーションまで出てきて、行き着くところまで行っちゃった感のあったシリーズをひとまず、「00(ダブルオー)」ナンバーのボンド誕生という時点まで巻き戻して新たなシリーズを展開させたかったのでしょうね。それには、歴代とは一味違った雰囲気のダニエル・クレイグがぴったりだったということかな。ちょっと見、ドイツ系にも見えるクレイグが、実は大英帝国っぽさをキチンと備えてるあたりキャスティング的にも大納得です。オープニングのシークエンスも、今までのように飛行機やパラシュート、パワーボートを使った大げさなものではなく、小気味いいテンポの単純な
チェイスにしたのも良かったです。このところのハイテク機器を駆使しすぎるボンドよりも、肉体で闘うあたりに好感が持てました。さらに、
オープニング・タイトルが凝りまくった上に美しくて感激しました。その他、初代ボンドカーであるアストン・マーティンDB5が登場するなど、小技も満載。ソニー・ピクチュアズだからって、パソコンや携帯がすべてソニー関係ってあたりは、ちょっと興をそがれたけど、新しいアストンのDBSやブリオーニのタキシードにジョン・ロブの靴。など。小物関係もカッコよくて大満足でしたよ。ボンド・ガールのエヴァ・グリーンは、スッピンは清楚ながらメイクすると色っぽくなるあたりが、いかにもフランス女優っぽくてナイスでした。