昨年末に公開されたフランス映画です。全然知りませんでしたが、縁あって拝見。これが素晴らしい拾いものでした。日本公開は2006年12月ですが、本国での制作年度は2004年。そして、2005年のセザール賞に8部門でノミネートされたそうです。最近日本では、輸入されるフランス映画そのものが少ないせいもあって、出演している俳優さんも見知らぬ方ばかり。主演の一人であるジェラール・ドパルデューくらいしか知った顔はいません。でも、それが良かったかも。かっこつけすぎな邦題についてはともかく。原題は「36 Quai des Orfevres」、つまりオルフェーヴル河岸36番地。これはパリ警視庁の所在地住所なのです。監督のオリヴィエ・マルシャルは元警官だそうですし、実際にあった話をベースにしているとのことで、圧倒的なリアリティで迫ってきます。警察の話なのに、悪い刑事も出てくるし、闇社会の人間も登場してきて、まさにフィルム・ノワールという言葉がピッタリな作品でした
。警視庁長官の座を争う二人の警視の対立を中心に描かれるのですが、警察内部の足の引っ張り合いや女性を巡る嫉妬など、要素満載で楽しめました。とにかく、ダニエル・オートゥイユがかっこいいですよ。最後に成長して現れる彼の娘役はオロール・オートゥイユというから、たぶん本当の娘さんなんでしょうね。
ただし、この邦題はどうなんでしょうね。悪くはないけど考えすぎ? 犬は警官のことでしょうね。気障っぽく「あるいは」なんて付けちゃってさ。まあ、少なくともハードボイルドな映画だろうって雰囲気は出てますがね。ネット上では賛成意見も多いようですが、僕はちょっと…。