タイトルにあるように、そのまんまクリスマス・ホリデイのお話です。ボーイ・フレンドに振られたロンドン郊外に住む新聞記者のアイリス(ケイト・ウインスレット)と夫の浮気に嫌気がさしたアマンダ(キャメロン・ディアス)がクリスマス休暇中に家を交換するところから話は始まります。アマンダはハリウッドで映画のトレイラーを手がけるプロダクションの辣腕社長です。それぞれ傷心の身を、LAの高級住宅とイングランド・ライフ風のこじんまりとした一軒家で過ごすことになります。そこに登場するのがジュード・ロウとジャック・ブラック。それぞれイギリスの書籍編集者とハリウッドの映画音楽作家の役です。その先は、よくある恋愛コメディなんですが、さすがはロマンチックコメディが得意なナンシー・マイヤーズ監督(「恋愛適齢期」とか「アイ・ラブ・トラブル」とか)だけあって、ただのコメディにはしていません。LAサイドに、オスカー受賞脚本家でありながら今の映画業界に対する不満で出不精になっている老映画人アーサー(イーライ・ウォラック)を登場させたり、ジャック・ブラックがケイト・ウインスレットと行くビデオレンタルショップで、ジャックにいろいろな映画音楽を口ずさませてみたり(この映画の音楽を担当しているハンス・ジマーの「ドライビング・ミス・デイジー」を挟んでる内輪受けもあり)、さらにそこに思わぬカ
メオ出演者を仕込んでいたり、キャメロンが夢想するとすぐに映画の予告編音楽とナレーションが流れたり、なかなかの手練れであります。2時間15分という長丁場を飽きさせないのも、2カ国で同時進行する2つの恋愛の描き方が上手いせいでしょう。ただのデート・ムービーというには惜しい傑作です。