監督の訃報に接し、とりあえず再見。のっけから圧倒される映画だなあ。ドあたまでカチンコが映りこみ、「シーン1カット10」の声が入るあたりからして、ただものではありません。有名な冒頭の1カット長回しも実に見事です。長回しと言えば、ブライアン・デ・パルマの「虚栄のかがり火」のファーストシーンも凄いんだけど、映画がヒットしなかった分、話題になることもありませんね。ロバート・アルトマンと言えば群像劇、と思ってましたが、この映画はどちらかと言えば、ティム・ロビンスが主人公の映画だったんですね。あまりにもカメオ出演が多すぎて群像劇のように勘違いしてたようです。サスペンスものとして見ると、犯行の目撃者の部分も、刑事たちの追い詰め方も今ひとつで、物足りません。しかし、映像や小道具、セリフの細部を見ていくと、いかにアルトマンが考え抜いて撮っているかが、改めてわかります。脅迫状として使われる絵はがきの絵柄や文面、カット始まりやカット終わりで多用される映画ポスターの中の文言、被害者と会うジャパニーズ・スタイルのカラオケ・バー、行く先々でティム・ロビンスがミネラル・ウォーターを注文するシークエンス(しかも、毎回銘柄が変わるんです!)。やっぱ、ロバート・アルトマンはいいなあ!
で、その圧倒される数のカメオ出演ですが…。エンド・クレジットで見る限り67人のカメオ出演が確認できるんですね。
アラン・ルドルフ、ジョエル・グレイ、
ブルース・ウィリス、ゲイリー・ビューシィ、
カレン・ブラック、
バート・レイノルズ、ジル・セント・ジョン、ロバート・キャラダイン、ピーター・フォーク、ジェームズ・コバーン、
ロバート・ワグナー、ジョン・キューザック、ポール・ドゥーリイ、
ジャック・レモン、フェリシア・ファー、アンディ・マクダウェル、ルイーズ・フレッチャー、
スコット・グレン、
スーザン・サランドン、デニス・フランツ、
ジュリア・ロバーツ、
シェール、
テリー・ガー、
ジェフ・ゴールドブラム、
ミミ・ロジャース、
エリオット・グールド、
アンジェリカ・ヒューストン、バック・ヘンリー、
リリー・トムリン、サリー・ケラーマン、サリー・カークランド、
マルコム・マクドウェル、マーリー・マトリン、
ニック・ノルティ、
ハリー・ベラフォンテ、ロッド・スタイガー、パトリック・スウェイジ、スティーヴ・アレン、リチャード・アンダーソン、
シャーリ・ベラフォンテ、、
マイケル・ボーエン、ゲイリー・ビジー、チャールズ・チャンプリン、キャシー・リー・クロスビー、ブラッド・デイビス、ポール・ドゥーリー、セレーザ・エリス、カシア・フィギュラ、デニス・フランツ、リーザ・ギボンズ、デビッド・アラン・グリアー、キャシー・アイアランド、スティーヴ・ジェームス、マキシン・ジョン・ジェームス、ジェーン・メドウズ、マーティン・マル、ジェニファー・ナッシュ、ガイ・リームセン、パトリック・レンズニック、ジャック・ライリー、アニー・ロス、アダム・サイモン、ジョーン・トークスベリー、ブライアン・トッキ、レイ・ウォルストン、マービン・ヤング、スコット・ショー。下線を引いたのが僕に分かった人。ま、脚本家や映画監督みたいな業界人は分かる訳ないんだけどね。それにしても、67人とは凄すぎですね。