山田詠美の短編小説「風味絶佳」が原作の映画「シュガー&スパイス」を見ました。チケットもらったもので…。主演はカンヌ最優秀男優賞受賞の柳楽優弥と「パッチギ」で映画賞を総ナメにした沢尻エリカ。中江功監督はじめ「冷静と情熱のあいだ」のスタッフによる作品。まあフジテレビ的な恋愛映画なのだろう、と予想していったところ、そのまんまでしたね。ストーリーとしては、高校卒業後大学へ行かずにガソリンスタンドで働く志郎(柳楽優弥)と女子大生・乃里子(沢尻エリカ)の出会いと恋と別れの物語。それを見守るのが志郎の祖母不二子(夏木マリ)。とまあ、ただそれだけなんですよ。もう少し山田詠美テイストが残ってるかなあ、と期待してたんですが、ムダでしたね。横田基地のある福生が舞台で、ロケ部分はなかなかイイ味出てるんだけど、主人公が働いているガスステーションがいかにも、のロケ・セットでね(千葉の方に建てたってどこかで読みました)。店員の着てるカバーオールもこの映画用につくりましたって感じでキレイ過ぎるし。リアリティが皆無なんです。夏木マリは70歳にしてアメリカかぶれのバーのママという設定なんですが、このバー「BAR Fuji」がまたセットセットしててね。
エキストラの外人は棒立ちだしさ。となると期待すべきは夏木マリの演技のはずなんだけど、これが大仰でステレオタイプとくるんだな。ただ今恋愛中っていうカップルなら、少しは気持ちが入るんだろうけど。客観的に見ちゃうとアラばかり目立っちゃうんですよね。まあ、沢尻エリカちゃんは可愛かったけど。「風味絶佳」というよりは「無味乾燥」ってところかな?
夏木マリのセリフじゃないけど、映画にもシュガーとスパイスの両方が必要なんだけどね。この映画はまあお砂糖だけで出来ているという感じでしたよ。