「踊る大捜査線」のスタッフがつくった、というのが売りの映画「UDON」を見てきた。誰でも知ってる讃岐うどんブームを扱った映画である。本広克行監督が香川県出身ということで製作されたらしい。モチーフになっているのが、新宿にもお店を持つ麺通団。「おそるべき讃岐うどん」という本でも知られている、四国のうどん巡りをブームにした集団。地元でも取り上げられていなかったマイナーな製麺所でのうどん食いを日本中に広めた人たちだ。とはいえ、単なるサクセス・ストーリーではないところが良い。主人公は松井香介(ユースケ・サンタマリア)。世界的コメディアンを目指してNYで活動するが、挫折。実家がうどんの製麺所である香介は「ここには夢がない。うどんがあるだけだ!」との捨て台詞で渡米したのだが、打ちひしがれての里帰りである。地元タウン誌での仕事を得た香介が発見したのが、讃岐うどん巡礼だった。路地の裏や田んぼの中に存在する讃岐うどん屋を紹介するうちに、これが大ブームになるのだ。しかし、いつかブームは終わるもの…。後半は人情もの風になっていく展開で、小ぶりなつくりだが楽しめる作品になっている。ユースケを助けるライター恭子に小西真奈美。
幼馴染の広告マンにトータス松本。まわりを固める鈴木京香や小日向文世も上手い。ユースケの父親を演じる木場勝己も地味な俳優だが、イイ味を出している。ネタばれになるので詳しくは書かないが、香介の夢の場面がSFアクション風(
ブレランもどき?)だったりするのも、テレビ的ではあるけれど、飽きさせないための工夫だろう。後15分短ければ最高だが、見て損はない映画。関東ではいざ知らず、四国や西日本ではもしかすると大ヒットかも?