毎年7月のドラマはなかなか厳しいというのが業界の常識らしいけれど、今回も軒並み苦戦状態らしい。月9の「サプリ」は2回目で13%を出しちゃってるし、ざっと見回しても15%を超えてるのは、「結婚できない男」と「マイ・ボス マイ・ヒーロー」ぐらい。もちろん「渡鬼」は20%近く取ってるけど、あれは普通の連ドラじゃないし…。という中で、個人的に注目してるドラマがテレビ朝日の「下北サンデーズ」。千葉大に合格して上京してきた上戸彩が、演劇にハマって下北沢で貧乏生活をおくる。というストーリーなんだけど。原作は石田衣良。演出は堤幸彦。あの「池袋ウェストゲートパーク」のコンビなのだ。ま、脚本はクドカンじゃなく河原雅彦だけどね。先週初回を見たんだけど、これが堤演出爆発で、チョー面白い! ストーリーの大枠は石田さんなんだろうけど、ドラマの細部やなにやらはほとんどが堤テイスト。「TRICK」なんかでもそうだったけど、拾い切れないほど細かいネタが散りばめられてる。上戸彩もカワイイだけじゃなくて、連ドラを数本こなしてきただけあって、なかなか貫禄も出てきたし、脇を固める出演陣も曲者だらけでイイ感じ。特に堤劇団関係者や小劇場系の役者さんが揃ってて、ルーズなカットの端っこに映ってるのが結構な人だったりして気が抜けません。前回では、本物のケラさんまで登場してきてビックリ! 下北沢、演劇、ということで、実在する場所もふんだんに出てくるので、楽しみです。
さっき書いた堤テイストの小ネタ・ギャグ。
演劇界ではメチャ安で飲める居酒屋として有名な「さくら水産」が「ちくわ木産」になって出てくるのよ。山菜奈居酒屋だって。それでメニューが乾燥椎茸(レア)12円だもんね。たしかにさくら水産には、ピリ辛こんにゃく50円とかまぐろのあら煮80円とかの激安メニューがあるけどね。12円は、ありえねー! さらに出てくるラーメン屋が「眠眠亭」。下北沢には「世界で三番目に旨い」眠亭ちゅうラーメン屋があるんだよねー。で、メニューがメチャクチャ。「餃子ゾンビ(ロシアンルーレット)」とか「日曜日よりのシオ」とか「メンダメンダ」とか意味不明(つーか逆に意味明瞭?)な品書きが並んでるし。店員全員ロッカーだし。とまあ、そんな具合に
突っ込みどころ満載なので、大筋もいいけど、美は細部に宿るということで、存分に楽しめそうなドラマなのです。あくまでも、個人的にだけど…。