小説「県庁の星」は、たぶん出版時に映画化が決まってたような気がする。発売直後からそんな売り方をしていたからだ。で、読んでみて、
ちょっとがっかりもした。なので映画化作品にも、あまり期待していなかったのだ。で、試写で見たんですが…。これが小説とは、ほとんど別ものになっているんですよね。もちろん、主人公の県庁エリート野村(織田裕二)を官民交流プロジェクトで派遣されたスーパーで鍛えるパートの二宮さんが、小説の子持ちシングルマザー・オバサンから、20代の女性(柴崎コウ)に変えてあるところで、まったく違うようなもんだけどね。基本的なアイデアは小説とほとんど同じなのに、恋愛モードも加え、かつ県庁関係の登場人物を脹らませたことで、大幅に内容を充実させています。一方スーパーの立て直しでは「がんばれ!ベアーズ」パターンの“ダメ人間もやれば出来るじゃん!”のカタルシスもあるし。
薄っぺたい原作をよくぞここまで仕上げたな、という感じです。こうなると、原作本よりもノベライズ出した方が面白くて売れるんじゃないの? なーんてイジワルなことまで考えちゃいますよ。監督はテレビ「白い巨塔」などを撮った西谷弘。2時間10分きっちり楽しませてくれます(テレビドラマっぽいのは、しょうがないか)。まあなによりも、柴崎コウがいいんだなあ。あんな女の子に見つめられてたら、そりゃやる気出ちゃうよな。って単に僕が柴崎コウファンというだけかもね。