知る人ぞ知る名店、だと思う。JR四谷駅のはす向かいのビル地下に店をかまえる「
味の旅 うす居」。このお店が3月末で閉めることになったそうだ。今年の年賀状で店主として厨房を守ってきたおかみさんはこう書いている。「うす居は48年目の春になりました。皆様に愛され、お料理も過分に絶賛していただき、身に余る幸せの日々を夢中で過ごして参りました。なれど私も75歳となり、心残りは多々ございますが、皆様にお礼のご挨拶ができますうちに引退の心積もりでおります。」いやあ、本当に残念。という訳で、とりあえず行ってきた。たまたま節分に伺ったので、八寸には豆や鬼があしらってある。中に一品洒落たのがあって、黒豆にお豆腐かと思ったら、これがクリームチーズにブラックオリーブであった。
刺身盛りをいただき、殻つき生牡蠣、そして車海老のおどり。とすべてが美味。そしてメインは自慢料理のしじみ鍋だ。鉄鍋の中にはだし汁に大量のしじみが沈んでいる。これが沸騰した頃にしじみを引き上げる。そして鍋の中に、魚、牡蠣、しいたけ、野菜を入れる。いや、本当に美味な鍋だ。そうそう、引き上げたしじみは、酒のあてとしてつまめるというのも嬉しい。いやあ、ちょっと食べすぎというくらい食べたのだが、最後にいただく雑炊もメチャ美味で、結局ペロリ。これがなくなってしまうなんて、本当にもったいない。閉店までに、何度か足を運ばなくては…。