「ホテル・ルワンダ」という映画がある。去年のアカデミー賞にも3部門でノミネートされていた。ま、結果的には「ミリオン・ダラー・ベイビー」に負けちゃったんだけど。アメリカでは結構ヒットした作品なのだ。ところが、日本の配給会社はどこも手を出さなかった。アフリカの内乱をテーマにした映画に日本人は興味がない、と思ったんだろう。主演もドン・チードルという、あまり聞いたことのない俳優だし。そんな状況に、動いたのが映画の配給とはなんの関係もない若者だった。という話は
こちらを読んでもらうとして。この映画がホント、面白いんですよ。ルワンダのフツ族とツチ族の間で起こった内乱と大虐殺を扱っているんだけど、決して政治的な映画という感じではない。宣伝文句として「アフリカのシンドラーのリスト」と書かれているけれど、シンドラーに勝るとも劣らないです。虐殺の的にされた人々1200人をホテルに匿い、最終的に国外に脱出させたホテル・マネージャーの実話をきちんと
エンターテインメントにしている作品なのだ。今までは小さな脇役くらいでしかみなかったドン・チードルという役者も素晴らしい。細部にご都合主義のところも見受けられるんだけど大きな流れとしては許せます。ルワンダの悲劇は悲しいことではあるけれど、そうした政治的な観点からだけでなく、映画の持つチカラを感じさせてくれます。東京では
シアターN(もとユーロスペースのあったところだ)という小さい劇場で公開されているのだが、連日満員。立ち見も出る人気です。単純に映画を楽しむという気持ちで見てほしいなぁ。