「オールド・ボーイ」、「親切なクムジャさん」の原点にもあたるパク・チャヌク監督の復讐3部作第1作が「復讐者に憐れみを」だ。「JSA」にも出演した、ソン・ガンホ、シン・ハギュンと組んでの復讐譚。一説には、「復讐者」が酷評されたために、パク監督は開き直って復讐がテーマの3部作をつくったといわれている。実際僕は、「オールド」→「クムジャ」→「復讐者」の順で見たのだが、後の2作に比べて「復讐者」は異質にも感じられた。冒頭で明かされるのでネタばれにはならないと思うが、まずシン・ハギュンを聴覚障害者にしたことで映画全体に不思議なムードが漂っているのだ。そして、真俯瞰を多用する映像設計。あっけないほど登場人物を消していく冷徹な脚本。ある意味ホラーとかスプラッタとも見えかねない映画でもある。出てくる人物すべてが世の中の
理不尽に対する復讐者であり、逆にまた、世の中の理不尽さのために他の誰かから復讐を受けることともなるというお話。ちょっとキモい画があるので、好みもあるかとは思いますが、流石パク・チャヌクと思わせる傑作です。ちょっと遠藤久美子に似てる(違うか…)ペ・ドゥナがベッド・シーンまでやってくれてます。個人的にはヌードもうれしいんですけど、途中公園でゴム段跳びするところの踊りが最高~にキュートでした。