ハリー・ポッターの大ヒットによって、「ファンタジーは金になる」ということなのか、「指輪物語」だの「ナルニア国ものがたり」だのファンタジー原作の映画が目白押しである。その余波になるのか、ロアルド・ダール原作のジュブナイル「チョコレート工場の秘密」も再映画化された。ロアルド・ダールといえば、短編集「あなたに似た人」に代表される奇妙な味の小説家として有名なだけでなく、映画の脚本家として「007は二度死ぬ」を手がけたり、女優のパトリシア・ニールと結婚していたり、テレビ版「奇妙な出来事」のMCであったりと、大変多才な人なんだけど、それはまた別の話。映画の宣伝HPによれば、「チョコレート工場の秘密」は、「ハリー・ポッター」「指輪物語」についで1300万部を売った世界的ベストセラー童話なんですね。以前にも「夢のチョコレート工場」というタイトル(原題は「ウィリー・ウォンカとチョコレート工場」)でジーン・ワイルダー主演で
映画化されてます。今回はジョニー・デップ主演・ティム・バートン監督という最強の布陣。期待も大きくなろうってもんです。映像はまさにティム・バートンの世界。それがジョニー・デップ登場で尚更加速します。登場シーンから右手が鋏だったりして、シザーハンズのパロディかよ! の世界。なんと言っても圧巻なのは、チョコレート工場で働くウンパ・ルンパ族の映像です。ディープ・ロイという怪優が演じているのですが、これが凄い。何十人も出てくるウンパ・ルンパを彼一人
でやってる訳ですよ。ディープというだけあって、武蔵丸というか安達祐美と言うか濃い系の顔が忘れられません。ほとんどのシーンで歌い踊るのでその振り付けも含めて、頭の中でグルグル回ってしまいますよ。そのパフォーマンスもビートルズあり、マイケルあり、ラッパー風ありで楽しい、の一言。DVDになったら、くまなく見てみないと。