「バットマン・ビギンズ」を見てきた。それほど見たかった訳でもないが、ちょうど時間が空いたのでケン・ワタナベがどんな風に出ているのかを確かめるつもりもあった。ところが結果的にこれが傑作でした。監督のクリストファー・ノーランは「インソムニア」と「メメント」を監督した人。僕はどちらも未見だが、一筋縄ではいかない雰囲気ではある。まさにその通りで、ティム・バートンの2作にも負けず劣らず、ダークな世界観が織り込まれたシブい作品だった。さらに凄かったのがキャスティングである。だいたい悪役にケン・ワタナベを持ってくるセンスが並みではないのだが、他もシブ豪華なのだ。ブルース・ウェインを演じるクリスチャン・ベールは地味めなのだが、脇を固める共演陣が、マイケル・ケイン、ルトガー・ハウアー、リーアム・ニーソン、モーガン・フリーマン、ゲイリー・オールドマンというんだから、ちょっと凄いでしょ。ここに並んだケン・ワタナベもシブいっす。さらにヒロインのケイティ・ホームズはトム・クルーズの婚約者ということもあって、話題性は満載であります。お話としては、第1作のジョーカーと戦う前、ブルースがいかにしてバットマンになったかが描かれています。幼少時、庭の井戸に落ちた時のコウモリ体験。両親を目前で殺害された経験。ヒマラヤ山中での過酷な修業。などなどダーク・ヒーロー誕生までの過程は暗めな色調の映像で綴られます。ゴッサムシティを悪から守るために立ち上がるブルースは、
自身の恐怖体験からコウモリをモチーフに選びます。そしてバットスーツやバットマスクも自ら手作り!するのです。個人的にはバットモービルがハマーみたいなのが残念でしたが…。しかし、全編統一された世界観は超秀逸で、続編も楽しみです。あ、ケンさんは存在感抜群でした。不思議なアジア語喋ってたのがおかしかったな。