「交渉人 真下正義」を見ました。言わずと知れた「踊る大捜査線」のスピン・オフ・ムービーです。主役の織田裕二と深津絵里は出ていません。ユースケ・サンタマリアと 水野美紀が主役に昇格。柳葉敏郎は次のスピン・オフ「容疑者 室井真次」のフリっぽく1シーンに登場します。ウォルター・マッソーが刑事役をやった「サブウェイ・パニック」という映画がありましたが、まあ、それのいただきかな。司令室で地下鉄ジャック犯人と交渉するという設定。ポスターやCMにも「TOKYO SUBWAY PANIC」という文句を使ってるので、確信犯ですね。本編中にも「ジャガーノート」や「オデッサ・ファイル」など爆破や地下鉄に関連した映画を取り上げてるし。さて、「踊る2」でレインボーブリッジを封鎖して事件を解決したのが2003年11月24日という設定。その1年後のクリスマスイブに東京の地下鉄の最新鋭実験車両(通称はクモ)がハイジャックされるというのが本作のストーリー。犯行の動機が交渉人・真下の存在で、犯人は真下に接触をはかってくる。2時間ちょっとをスピーディに引っ張るのは本広監督の手腕。東京の地下に張り巡らされた地下
鉄の線路を遠隔操作で自由自在に走り回るクモの映像も迫力がある。オーケストラによるラヴェルの「ボレロ」の演奏に絡めて大団円へ収束させる構成もお上手。ま、難を言うなら、犯人像と動機をもう一つ掘り下げて欲しかったということでしょうか。ユースケに國村隼、寺島進、高杉亘、松重豊というシブいキャスティングで王道のアクション映画を作るというのも好感持てます。何より、77歳の金田龍之介さんが元気に出演していたのがサイコーでした。