さて、日本にどのくらいの「インファナル・アフェア」ファンは存在するのだろうか。少し前なら「男たちの挽歌」、ずっと前なら「仁義なき戦い」と同系統のファンだよね。まあ、映画館に足を運ぶよりはDVDで見るタイプが多そうだけど。僕はいてもたっても居られず、完結編である「Ⅲ」を見てきました。「Ⅰ」もトニー・レオンが好きだったのだが、今回も最高。「花様年華」や「2046」もいいけど、やはり黒社会でのトニーは光りますね。警察に潜入したマフィアとマフィアに潜入した警官を描く三部作。「Ⅰ」で警察に潜入したラウ(アンディー・ラウ)と潜入捜査官であるヤン(トニー・レオン)の交錯を扱い、ラストではヤンが殉死する。「Ⅱ」はうって変わって「Ⅰ」の前史。ラウに警察潜入を命じたサム(エリック・ツァン)とヤンの上司である警察官ウォン(アンソニー・ウォン)の因縁や若き日のラウ(エディソン・チャン)やヤン(ショーン・ユウ)の生い立ち、女性との関わりが描かれる。そして「Ⅲ」へと至るのである。「Ⅲ」で加わるキャストはエリート警官ヨン(レオン・ライ)と本土のマフィア・シェン(チェン・ダオミン)である。ま、もちろんこれに女性陣も入り乱れて展開するのだが。麻のように入り組んだ物語を終結させるためか、「Ⅲ」はアクション的には静か。ラウの心理を中心とし、過去のヤンの精神科医(ケリー・チャン)との幸せな日々を裏糸に進む。「あいにく俺は警官だ」と「運命は人を変えるけれど、人は運命を変えられない」
というセリフが印象的。「Ⅰ」はストレートに100点。「Ⅱ」は裏技で80点。と採点するなら、「Ⅲ」は力技にトニー・レオンの魅力で85点、というところか。個人的にはサム役の←エリック・ツァンが昭和の日本人コメディアンの誰か(チャンバラトリオの結城さんとか)を彷彿とさせる風貌で大好きだなあ。いつか、三作一挙上映のオールナイトでもあったら、是非行きたいと思ってる人は結構多そう。