3年ほど前から通っいる金沢料理の店がある。そのおかげで金沢の食材には親しみを持ってきたんだが、最近それらを他の店で見ることが多くなった気がするんだなあ。最近のビッグコミックオリジナルの「魚河岸三代目」でも扱っていたけど、どうやら、巷は金沢食材ブームみたいだ。僕が行くお店は、祖師ヶ谷大蔵の「H」。ほとんどすべての食材を金沢から仕入れている。魚で言えば、今の季節なら、ノドグロ、メギス、満寿貝、がす海老、なんていう名前が並ぶ。ね、ちょっと聞いたことないでしょ。ノドグロは赤むつのこと(↑大きい写真)。口の中が黒くみえるのでこう呼ぶらしい。金沢の魚の冬の代表格で刺身でも煮ても、焼いても、美味しい。メギスはキスの仲間ではなくて京都では沖ギスと呼ばれる魚。満寿貝はハマグリのような貝で見た目真ん丸でちょっとお饅頭みたいな貝。がす海老は見た感じぼたん海老で味は特級の甘海老という海老。なにしろ冬の北陸海鮮はみな、旨いのだ。さらに夏野菜では、金時草(きんじそう、と読む)なんてのもある。こうした食材の名前は以前、この店でしか見なかったんだけど、
最近はちょっとお洒落系の居酒屋さんなんかに行くと、ノドグロの塩焼きとか金時草のおひたし、なんて献立があったりするのだ。確実にブームですね。しかし、鮮度とか料理の腕も大切なのは当然。流行りだけで少ない食材を無駄遣いされたくはないなあ。さて、金沢では海鮮や野菜だけでなく、お茶も独特のものがある。加賀棒茶がそれ(←左の写真)。字のごとく、お茶の茎の部分を焙じた「ほうじ茶」で普通のほうじ茶より焙煎が浅く、あっさりと柔らかく飲みやすい。この「H」という店のご飯もので傑出しているのが棒茶チャーハンである。茎ほうじ茶を掛けた炒飯が絶品なんですよ。