さてさて、新宿の小劇場でマチネ(芝居)を見て、午後4時半。特にすることもなく、夕食には早すぎるし、と考えて、思い出横丁に(って何度も書くけど昔はしょんべん横丁)、足を向けた。ここで「ささもと」という手もあるのだが、普段ほとんど行ける可能性のない「カブト」を訪れることにした。というのも、このお店、閉店が9時(時にはもっと早く)なので、なかなか入れないのである。「カブト」はうなぎの頭の意味。うなぎ串焼き専門店である。この横丁では超有名な一店。昭和23年開店というから最古参でしょう。炭火焼き台上の裸電球の傘からは真っ黒な油が3~4センチ垂れ下がっている。コの字型カウンター14~5席お中には焼き手ともう一人。どちらも年配の男性。うなぎはすべて串焼きで、メニューによれば、えり焼き(いわゆるカブト・頭の部分)、ひれ焼き(ひれのある辺り)、きも焼き(内臓部分・いわゆる肝ではない)、れば焼き(これが肝、肝臓です)、一口蒲焼きがある。入ると決まってお店の人に「一通りでいいですか」と言われるのだが、
これはえり2、ひれ2、きも1、れば1、蒲1の7本セットのこと。まず、これを頂いてからアラカルトにしましょう、というのがお店のルールなんです。一通りで1200円くらい。あと、ビールが小瓶で420円。焼酎(キンミヤ)が1杯340円。焼酎のウメ割りは自分でやるように、カウンターにしょうゆさしにいれて置いてある。これにお通しとして小さなおしんこが付く。小瓶と焼酎1杯で一通りをいただき、追加の焼酎用に「かばしお(一口蒲焼きの塩焼き)」を注文。これが美味い。絶品です。これだけを〆て、2700円。たまにはイイよね。