おとといの夜のNHK-BS2「マンガ夜話」は関川夏央と谷口ジローの「事件屋稼業」を取り上げていた。1980年前後に「漫画ギャング」という双葉社のコミック誌で連載が始まった作品で。僕も当時はマンガにのめり込んでいたから、雑誌掲載時にも読み、単行本も購入した覚えがある。当時は矢作俊彦のハードボイルドが登場していて、FMでも「マンハッタン・オプ」とかをやっていた。テレビでは松田優作の「探偵物語」も放送されていて、ハードボイルドものはちょいとしたブームだったんだな。それも、半分くらいはパロディとして。「マンガ夜話」で関川も言ってたけど、日活アクションやアメリカのハードボイルドを笑い倒す感じがよかったんだよね。ちょっと話はズレるけど、当時の青年マンガ誌は結構イケてて、アクション、別冊アクション、ヤングコミック、プレイコミックなどは掲載コミックもコラムも相当面白かった。その対極には小学館のビッグコミックがあった訳だけど、双葉社、少年画報社、秋田書店はがんばっていたのだ。特に、アクションのコラム「アクションジャーナル」は「popeye」のコラム「pop☆eye」と並んで面白いものが多かったのを憶えている。関川夏央の処女ノンフィクションになる「海峡を越えたホームラン」もアクションでの連載原稿が元になっていたはずだ。こうした系譜は、細々とではあるが、現在の「アクション」にも伝わっている。北朝鮮拉致被害者や女子高生監禁事件のコミックを連載するなど、一橋系では出来ない試みもその流れだろう。「マンガ夜話」で関川は「事件屋稼業」続編の可能性を示唆していたが、是非読みたいもんである。