下北沢にて、
ペンギンプルペイルパイルズ公演「
機械」。主宰の倉持裕は昨年の岸田國士戯曲賞を「ワンマンショー」で受賞している(ちなみに今年の受賞者は、宮藤官九郎 と岡田利規)。同一脚本をダブルキャストで上演するという試みで、それぞれ鏡面仕上げとメッキ仕上げと名付けられている。僕が見たのは、鏡面仕上げ。地上に住む人間と地下に住む人間がいるという世界。地下で「機械」の部品を掘り当て、「機械」を完成させて地上に運ぶと、「審査」が受けられるという設定。玉置孝匡が機械をつくった男・八巻、その助手・椿をぼくもとさきこ、地下に住む女・虹子をナイロンの村岡希美、その友人・益子を山本大介、というキャスティング。メッキ仕上げだと、村岡に当たる役をシャンプーハットの赤堀雅秋がやっているようだ。「機械」を運んでいた玉置とぼくもとだが、台車が壊れ、地上一歩手前で立ち往生する。そこに現れる女が村岡。さらに友人の山本も出現して…。という展開。非常に狭い舞台はさらに閉塞感のある地下の世界に擬せられて、そこで4人の芝居。テーマとか言いたいこととかは深読み出来るのだろうが、それはそれ。言葉のやりとりの中でさまざまな感情や人間関係、社会状況などを想像しつつ見る行為そのものが、なんとも楽しい。笑いの要素はそう多くはないが、村岡の一種キレた演技が光る。日曜で終わりだがメッキ仕上げも見てみたいなあ。下北沢OFFOFFシアターは客席数100程度の小箱。1時間20分ほどの芝居なら、この窮屈さも我慢可能である。