去年やおとどし、けっこうあちこちで寺島しのぶが取り上げられていた。「赤目四十八瀧心中未遂」でアカデミー賞主演女優賞を取り、 「ヴァイブレータ」でも東京国際映画祭とかで賞をとってるし。で、昨日疲れ果てて深夜帰宅したんですがね、ちょうどWOWOWで「ヴァイブレータ」始まるところで。つい見出したら止まらなくて。3時半過ぎまで見ちゃったんですね。いや、面白いですよ。イイ感じ。ところどころの点描のように荒れた映像とか、考えたことが前面黒味に縦書きのゴシックでスーパーされたりとか。荒井晴彦の脚本がいいね。もちろん寺島しのぶが主人公でイイんだけど、それにも増して相手役の大森南朋がサイコーなのさ。どこまでホントか分らないが、元ヤクザで風俗のマネージャーやってた金髪のトラッカー(手首にタトゥーあり、それもトライバルね)がグー。大森は「アイデン&テイティ」でも感じだしてたし、「深呼吸の必要」も良かった。いま、この年齢くらいじゃあ一番の映画俳優ではないかな。それにしても、父親が麿赤児だったとはね。原作は赤坂真理。フリーのルポライター(しのぶ)が長距離トラッカー(大森)と出会って、2日間の新潟までの旅に同行する、というロード・ムービーである。寺島しのぶは不眠と過食に悩みアルコール依存。頭の中で響く声に、苦しんでいる。大胆なヌードとセックスシーンにも驚かせられるが、独白と会話のテンポ、移動シーンの音楽などで独特の雰囲気を作り上げている。監督は「機関車先生」やWOWOWのドラマの「4teen」の廣木隆一。