昨日の「アイデン&ティティ」は1990年のバンドブームを取り上げた映画だったが、こちらは、さらに遡った時代を舞台にしている。劇団・ナイロン100℃のケラリーノ・サンドロヴィッチ監督による初映画作品
。「1980」は「イチキューハチマル」と読む。80年代の話ではなく、ピンポイントに1980年のお話。それも、ジョン・レノンが殺された12月8日から、大晦日までの23日間の物語。全員母親が違う三姉妹。長女は夫と喧嘩中。三女は高校で撮影中の自主映画(ピアフィルムフェスティバル応募予定!)へのヌードでの出演で悩み中。そこへ、アイドルなのに失踪中の次女が帰ってきて…。という設定。長女が犬山イヌコ、次女がともさかりえ、三女に蒼井優、という結構イケてるキャスティング。ケラ・パワーでナイロン関係者ほか、及川光博、田口トモロヲ、清志郎や細野晴臣、伊武雅刀など超オールスター。当時の缶ジュースや雑誌、広告、レコード、本など、ディテールに凝ったのも、いい感じ。ちょっと切ない後味です。