みうらじゅんの原作漫画を宮藤官九郎脚本で田口トモロヲが監督という、なかなかのメンツでつくられた青春映画。簡単に言っちゃうと、バンドブーム時代に青春を過ごしたミュージシャンたちの苦悩と愛、って感じかな。みうらじゅんと言えば「大島渚」で「イカ天」に出ていたのを知ってる人は、もう40以上だろうけど…。あのブームの現場を見てきた人が描いているだけに、リアルで面白い。コマーシャリズムとロック魂の狭間で悩む主人公を演じているのが、峯田和伸。実際のミュージシャンらしいが、冴えないながら真摯な若者がぴったりハマッった。他に、中村獅童、マギー、大森南朋、麻生久美子などがイイ感じでマイナーメジャーな世界を作り上げてくれている。主人公の妄想としてボブ・ディランそっくりの人物が登場して、ロックの心をブルースハープで語るのだが、エンディングの「ライク・ア・ローリング・ストーン」は、けっこう泣けますぜ。