東野圭吾の「レイクサイド」の映画化が「レイクサイドマーダーケース」。監督は青山真治。「ゲームの名は誘拐」を映画化した「g@me」に続いてフジによる東野作品の第2弾。湖畔に建つ別荘に集まった3組の親子。子供の中学入試のための合宿である。プロを自負する教師・津久見(豊川悦司)によって子供たちは勉強や体育を親たちは面接の受け方を指導される。主人公の並木(役所公司)は妻(薬師丸ひろ子)や娘とは別居中。しかし、娘のためにとこの合宿へやってくる。並木は仕事上付き合いのある女性カメラマン・眞野裕子と不倫中。その愛人・眞野が別荘に突然あらわれた…。という話。この後、殺害された愛人の死体をどう処理するか、という具合にストーリーは展開していくのだが、ミステリーの映画化としては少々食い足りない感じなのだ。この監督の作品はやはり役所広司と組んだ「ユリイカ」というのを見たことがあるので、実は描きたいのは謎や殺人ではなくて人間関係なのだということなのだろうと薄々見当がつく。ネタをばらす気はないから、結末は明かさないが、何故誰が彼女を殺したのか、という視点ではなく、このお受験合宿に集まった人間それぞれが何を考えているのかどう生きていくのかを重要視した作品だろう。別荘の持ち主で医者である父親を演じる柄本明が秀逸。