落語協会の会長になったとかとは関係なく、常にチケットがプラチナ化している大御所、柳家小三治師匠の独演会のチケットを入手。行ってきました。大手町にこんなホールがあったんですね。だいたい、日経新聞の本社が新しくなったのを初めて見ました。モダンでこぎれいな新しいビルの4階にある中規模のホールでした。講演会なども多いのでしょう。前の座席の中の天板を引き出すと簡単なテーブルになる仕組み。椅子はクッションふかふかではありませんが、ホールと会議場の中間的な使用目的なんですね。で。開口一番が、柳亭燕路さん。「粗忽の釘」を。真っ当でストレートな落語家さんですね。最近、立川流とか、そんなのばかり聞いているのでちょいとばかり物足りないけど…。で。御大・小三治師匠登場。グレイの着物に黒い羽織といういでたち。もう70歳なんだそうですが、お元気。バイクに乗ったりクルマを運転したりと言う話を聞いているので、どうしても60歳越えたくらいに思ってしまいます。評判通り、世間話のような長いマクラから。最初は、天候の話から、梅雨晴れと入りました。入っている句会の最近の兼題が「大安」だったとか。「大安と 決まりけり 梅雨晴れる」てのが、最近の師匠の句だそうです。おそらく15分以上あったでしょうマクラの後は、すうっと落語へ。「小言念仏」でした。十八番とされるだけあって、緩急と言葉の間と目線が絶妙。おんなじように他の落語家さんがやっても、こうはウケないでしょう。小三治ワールド、ここにあり、って感じでした。15分の幕間をはさんで、また小三治師登場。羽織は同じでしたが、お着物が緑色のものに変わってました。こんどのマクラは、70歳以上のお年寄りの免許更新について。ご本人が経験したことらしいです。シュミレーターさせられたり、実車での教習ありで、料金も普通より高いと怒ってましたね。このマクラもたぶん20分以上あったでしょうか。突然落語に。「青菜」でした。例の「鞍馬より牛若丸が出でまして、その名を九郎判官」てやつ。同じ科白を何度も繰り返すんですけど、味があるんですね。観客は大喜びです。結局終演は開演から2時間半ほどして。たっぷり演っていただきました。以前、末廣亭のトリで聞いたときはそんなに思いませんでしたが、きっちりと小三治スタイルが出来上がってるんですね。しかも、観客(ファン)はそれを聞きにきてる、笑いにきてる。人気の秘密がわかった気がしました。