ウェスタン映画って、久しぶりだな。「ブロークバックマウンテン」はウェスタンじゃないもんね。下手すると、「許されざる者」以来かな。「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」は、見なかったからな。ラッセル・クロウが出てるから、日本公開されたんでしょうね。まあ、アカデミー賞でも、作曲賞とかのノミネートはされてたしね。で。オープニング・タイトル見てたら、原作がエルモア・レナードだったんですね。レナードって最近はウェスタンも書いてるのか、って一瞬思ったけど、現代ノワール書き出す前はウェスタン作家だったことを思い出しましたよ。で。実はこの映画も1950年代のもののリメイクなのね。つまりエルモア・レナードは、すでに50年前にウェスタン作家として成功してたってことなんです。うーむ。凄い。で。「3時10分、決断の時」、原題は「3:10 to YUMA」。「ユマ行き、3時10分発」ってことで。捕えられたお尋ね者のギャングのボスを、鉄道の駅まで護送して3時10分のユマ行き列車に乗せる、というお話なんですね。ボス役がラッセル・クロウ。借金で困り果てている農場主にクリスチャン・ベール(借金返済のために、護送を買って出るのですね)。後年の作品を彷彿とさせるレナード・タッチは初期ウェスタンにも健在で、護送する護衛たちとラッセル・クロウが繰り広げる会話と彼我の関係性の変化が、見どころになってます。最後は、ボスを奪還しようとするギャングたちとクリスチャン・ベールの壮絶な銃撃戦になるのですが、その時ボスの心の内がどうなっているのかが眼目なのです。西部開拓時代の男たちの複雑な心を描いた作品と言えるんでしょうね。生粋の日本人にはちょいと分かりかねる部分も、ありますけど。しかし、農場主と息子との愛情とかギャングのボスの侠気とか、ちょいと任侠映画にも似た感じで楽しめました。早撃ちの名手で仲間であっても冷酷に命を絶つことができるギャングのボス・ラッセル・クロウが、実はスケッチが好き(絵はヘタですけど…)なんて細部も好感触です。三船敏郎と渡哲也とかで時代劇にリメイクしたら面白そうな話でしたよ。現代だったら、古田新太と堤真一とかって感じですかね。ちょっと違うか…。西部劇嫌いでなければ、DVDで見るも良し。かな。