というタイトルでピンと来る人は少ないだろう。先週は少々飲みすぎたので、金曜はおとなしく帰ることにしたのだが、気まぐれで新宿の末廣亭によることにした。あらかじめ調べていなかったので演芸場の前まで行って初めて出演者を確認する。トリは入船亭扇治。知らないなあ。まあ入船亭扇橋のお弟子さんだろうからキチンとしてるんだろうけど。この時すでに8時近くなっていたため、料金は割引で2200円。すでに中入りになりそうな時間で残す演者も5~6名。代演の紙も出ていたが、せっかく来たので入ってみた。席についてからモギリのところで貰ったプログラムを確認するとひざがわりの前(ということはトリの前の色物のもう一つ前)に川柳川柳の名前を発見。ちょっと心が躍る。この師匠、かわやなぎせんりゅうと読むのだが、来年で落語家生活50年というベテラン。古今亭円生に入門し、三遊亭さん生で二つ目に。その後、落語三遊協会の独立騒動(落語協会から円生が一門を引き連れて脱退して新団体を設立いした)を経て、川柳川柳の名で真打になった人。一つ年上の円楽との確執もあって独立せず、この名を選んだのだ。僕が初めて知ったのはおよそ20年近く前の池袋演芸場での「放送禁止落語会」においてであった。甲高い声で軍歌を歌いまくる口の悪い老落語家は僕に強い印象を残した。この不思議なテイストは直接見て聞いてもらわないとワカランだろうな。偶然のきっかけで、川柳師匠の高座を目にすることが出来た幸福な金曜日でした。おっと、その後のトリ・扇治さんも真面目に真摯に「百川」を演ってくれました。ナイスでした。