映画「オールド・ボーイ」の原作コミック(by 狩撫麻礼)をようやく読んだ。双葉社刊で全8巻。これが、けっこうヘタレでした。原作の出来は映画の三分の一にも達してないのでした。背筋に戦慄が走るオチだけでなく、細部の詰めも含めて、明らかに映画が勝っていたのですね。主人公が私設刑務所を出て知り合う女の子と○○するけれど、実はその女の子が○○で…。というような、作品のモチーフになるような極めて重要な部分が映画の脚本で付け加えられたものだったとは…。主人公のカウンターパートが彼を15年(まあ、コミックでは10年だけど)監禁した理由についても映画版の奥深さに、コミックは勝てる訳でもなく。相当悲しい思いで読了した訳なのです。確かに、現在出ている「週刊金曜日」の監督インタビューで、パク・チャヌクは、「原作が起承転結だとすれば、映画はさらにもう一つ転結を加えた」と答えていましたが、その通りでした。改めて、韓国映画界の才能の素晴らしさに脱帽ですね。